2021年視聴ドラマの片付け。
ちこりです。
2021年はすっかりドラマ通になり、年間15本のドラマを視聴していました。
ステイホームの賜物。感情移入の鬼。
昨年の見たドラマ作品の片付けをしていきます。
書き方については、以下の通りとします。
放送曜日;制作局;作品名
出演:○○、××
感想:~~~~~~~~
なお、一般人ドラマオタクなので感想は本当に個人のもので、オタク的狂いや語彙の喪失を含むものとします。
それでは。
■ 冬クール(2021年1~3月期)
水;日テレ;ウチの娘は、彼氏が出来ない
感想:浜辺美波ちゃんと岡田健史くんの関係が尊い!!岡田健史くんのぐっと感情を飲み込む演技にあぁぁぁぁわかるぅ~~~~!!純情~~~!!ってなった。
■ 春クール(2021年4~6月期)
火;カンテレ;大豆田とわ子と三人の元夫
感想:脚本が大好きな坂本裕二さんということで!元夫三人の中で慎森のツンツンデレには愛くるしさを感じましたね。やっぱ登場人物のセリフの重みはメモを取りたいレベル。(とりたかった)
水;日テレ;恋はDeepに
感想:えっっ今田美桜さんと渡邊圭祐さん素敵すぎでは!??もうその二人のサイドストーリーを見たい。剛さん推しなのにその二人が気になって仕方がなかった。
土;カンテレ;クロシンリ
出演:久保史緒里
感想:Hakubiの主題歌につられて。久保ちゃんの演技良かったね~~作品も黒くてメリーハッピーエンドに必ずしもならないところが丁度いい!!
日;TBS;ドラゴン桜
感想:物語は参考になるしたくさんのネクストブレイクが見つかった!南沙良ちゃん回で完全に堕ちた。難しい役ですごい繊細な表情をできる演技派で魅せられた!
日;日テレ;ネメシス
感想:THE櫻井翔。コメディとシリアスの緩急がしっかりついていて良かった。追っている事件の専門性が高かったけれど分かりやすくて面白かった。
■ 夏クール(2021年7~9月期)
火;カンテレ;彼女はキレイだった
出演:中島健人(Sexy zone)、小芝風花、赤楚衛二、佐久間由衣
感想:主役ペアより助演役の樋口と梨沙のつらさよ……。いや梨沙つらい役すぎない!?!?お前が悪いって言われたらそこまでだけどさ……最っ高に感情が揺れました!!
火;MBS;サレタガワのブルー
出演:犬養貴丈、堀未央奈、岩岡徹
感想:藍子さんに胸クソだったけど魅せられた。当初は見る予定じゃなかったけど藍子さんが悪に振り切れてたのとのぶくんが子犬で可愛かったしどうするのかなって思って。
日;TBS;TOKYO MER
感想:喜多見先生最高にかっこいい!鈴木亮平さんが超ハマリ役。毎回心臓に悪かった。2話(弦巻先生が殻を破った回)と5話(音羽先生の決断)と8話(喜多見先生と音羽先生の信頼)は涙を流して見ていた。絶望からの救いと成長には弱いのよ。映画も見ます~~!!!
日;日テレ;ボクの殺意が恋をした
感想:ラブコメの最初の設定が気になって。普段ラブコメめったに見ないのに、ヘタレな殺し屋が標的に恋をするって面白くない!?最後にかけての大どんでん返しがすごかった。
■ 秋クール(2021年10~12月期)
月;カンテレ;アバランチ
出演:綾野剛、木村佳乃、福士蒼汰、高橋メアリージュン、千葉雄大、田中要次
感想:フジ系列のドラマ枠月10移動での初主演に剛さん抜擢!ありがとうございます!!監督に映画畑の藤井道人さんを起用していただき当初からタッグに気になっていました。いやはや、ドラマの概念が覆る作品でまるで10時間の映画を見ているようなシリアスさ。意図する伝え方ではないのだと思いますが、作品への向き合い方も全員ドラマではなく映画級。藤井監督の素晴らしい試みで好きでした。
金;TBS;最愛
感想:最高。大好きな作品で生きる糧でした。スタッフへの安心感から最高で、プロローグ、BGM、主題歌を流すタイミングに大きな技を感じました。プロローグで登場人物の想いを聞けて全員が想いや歴史を持っている人間であることを確認。みんな良い人。BGMは1話から最高でした。懐かしさを感じるノスタルジック和風なメロディー。主題歌「君に夢中」のかかり始めるタイミングが毎話感情のクライマックス。ほとんどの回で君に夢中に誘発されて涙腺が崩壊。シナリオも素晴らしくて、2話や5話、9話、最終話は見ている自分もハラハラして声を上げてしまいました。これだけ謎が広がっているのに最終話は納得の回収を行っていて、時間が進むにつれ残酷にも明らかになっていく事実に絶叫してしまいました。もうすばらしい作品でした。
土;日テレ;二月の勝者 -絶対合格の教室-
感想:最終回の黒木先生がアツい!!黒木先生がどうして中学受験に携わるのかのセリフに感動した。自分もそのマインドでありたい。
土;テレ朝;消えた初恋
感想:道枝くんの演技力すごいなと……。ジャニーズから猛プッシュされる演技力を目の当たりにできました。青木も目黒蓮そのまんまで良かったし、LGBT監修がいて安心して楽しめたドラマでした。
日;TBS;日本沈没 -最愛のひと-
感想:日曜劇場のスケール感がいよいよここまで来たかと思いました。どこまでがCGなのか気になって仕方がなかったしCGの技術がガチすぎて怖かった。社会主義国への移住は嫌だというのは多数意見なのね。
2022年もドラマで自分では経験できない他者の気持ちに感情移入していきたいです。
ちこり
【読ログ】推し、燃ゆ
ちこりです。
今回は2021年上半期の芥川賞受賞作品を読んでみました。
芥川賞と直木賞は毎年1月と7月にそれぞれ一冊ずつ発表されるのですが、今回の作品は
・タイトルのキャッチー性
・作者の21歳という若さ、第二作での芥川賞受賞
で一気に話題になった作品です。この作者の処女作『かか』は三島由紀夫賞を史上最年少で受賞しており、これから世に出される作品も楽しみに思います。
さて、その作品は、
推し、燃ゆ / 宇佐見りんさん(河出書房新社)
です。
この話はアイドルの少年に陶酔している高校二年生の主人公の推し活と主人公のとりまく生活を描いています。
推しているアイドルがファンを殴ってネットが大荒れ。推しの人気が暴落。そのような出来事とファンの感じ方をタイトルにもなっているようフォーカスしています。
---以下、ネタバレを含みます---
しかし、読んでみて主軸に置かれていたのは炎上イベントではなく主人公のダメなところ、普通の生活ができない息苦しさなのではないかと感じます。
学校は休みがちでクラスにも馴染めないで、やっている飲食店のバイトでもヘマが多くマルチタスクになると混乱してしまい、一日一日で消化できる事柄がみんなより少なく、画面の中でキラキラ輝いている推しに自分を見出すことしかできない。
結局、主人公のあかりは高校を二年生で担任から原級留置を言い渡され中退を選ぶこととなってしまいます。担任から「勉強がつらい?」「どうしてできないと思う?」と聞かれてもどこか自分事と捉えられないところが切実でした。
本にするためのトピック、イベント性として推しの炎上事件を書いただけで、怠惰な人の生活の行く末の物語なのだと自分は思います。
高校生の主人公をとりまく生活には、「学校生活・勉強」、「アルバイト」、「推し活」があったのだけれど、「学校生活・勉強」は小さいころから苦手で「アルバイト」はしんどくて、縋る先として「推し活」にはたくさんの熱を注げて、それだけが幸せとして存在していました。勉強も努力すればできるようになるでしょ、しなきゃならないんだから、必死になれば頑張れる、という大人の意見が全て正しいとは自分は感じません。努力じゃどうにもならない壁はあると思います。人の頑張るの度量は違います。その人のことを解釈していない意見には対抗し、その人に寄り添いたいと自分は思います。でも、それをできないの言い訳にとってしまって自分の無力を正当化している姿は「推し活」に逃げているように映ります。人間にはさまざまな生活があって、そのなかでより現実に近い類の生活をしっかり成り立たせないといけません。生活の基盤が整っていない状態での快楽や偶像を追う生活は「逃げ」になってしまうのだなと感じました。
自分たちにもとりまいている生活にはさまざまあり、自分であれば快楽へ向かう生活として「SNS」「バンド発掘」があります。快楽へ向かう生活と言い切って表現したけれど、辛い時にはそれが支えになるし原動力になっているので決して切り離すことのできないものです。だから快楽だと割り切れなくて生活の一部なのだけれど他と比べるとあえて快楽へ向かう生活と認めなくてはいけないのでそうします。それらの生活が、生活の基盤があって直立しているわけではないのなら、虫歯菌が歯をじわじわ溶かしていくのと同じように快楽が現実を揺らしてしまい自分の人生を無力で情けなくしてしまうのだと思いました。
この物語のラストは非常に良かったです。それまでの物語を、人生を一つ一つまとめ上げていて自分と主人公の堕落していた脳に直接一滴の水を垂らしているようでした。自分のもつ生活のそれぞれすべてを一つ一つ丁寧に、生活の基盤を整えていくことが大事なのだと自覚させてくれました。それは長く険しい道のりで、なにか一つが済んでもミッションは連日連夜足されていくけれど、一つ一つを解決していくのが全てひっくるめての自分の生活なのだと感じました。
生活の中でも現実に近いものを直視しないといけない、それじゃないと何も解決しないという気持ちになりました。
一人の人間が一人のアイドルを解釈しようとしている構図はまさに純文学らしいと思いました。深い思考や言い回しから逃げ出さずにまた短編であれば読んで嚙み砕きたいです。
ちこり
芥川賞と直木賞について
ちこりです。
自分のためにアウトプットの練習をしていきます。
最近、男性アイドルを「推し」にしている女子高校生について描かれた『推し、燃ゆ』という作品が第164回芥川賞を受賞しました。
「推し」という現代用語が登場しており、受賞作品には珍しいキャッチーなタイトルと、著者の宇佐見りんさんの21歳という若さがこの作品のすごいところで、一瞬で話題に上りました。
自分は現代の若者言葉が出てくるのに純文学作品の賞である芥川賞を受賞できたのはなぜ?と疑問に思いました。無学なのでそこに引っかかってしまいました。
たくさんまとめられた記事は存在するのでn番煎じになっていますが……。
■ 純文学と大衆文学
まずはじめに小説のジャンルには純文学と大衆文学といったものがあること、その違いを知っておかなければ先へ進めません。なぜなら、芥川賞は純文学作品から、直木賞は大衆文学作品からそれぞれノミネートされているからです。
純文学作品とは「文学性を重視した作品」のことを指すらしいです。普通の人には言葉でのわかりやすい解釈が困難だと思います。純文学の作風を読んできた自分的には、「所作や風景をスローモーション風に巧みな表現で叙述している作品」というように感じています。一つの所作でも事細かに書かれていて味わい深くテクニカルなところがいいところだと感じます。
純文学好きな人はエロい・むっつりとよく言われていますがそれも納得ではありますね!
対して、大衆文学とは「ストーリーの流れや展開など内容性に重きが置かれた文学」のことを指すらしいです。展開が面白くてついつい夜通し読んでしまうなんてこともありますよね。おそらく大衆文学のほうが読書ライト層にはとっつきやすく楽しめるのではないかと思います。
■ 芥川賞とは
芥川賞は正式名称を「芥川龍之介賞」といい、優れた純文学作品が書かれた作品に贈られる賞です。
冠になっている芥川龍之介は『羅生門』や『蜘蛛の糸』など多くの純文学作品を作り出してきました。
『羅生門』は高校の学習用教材になっていて読んだことがありますが、暗くよどんだ不気味な空気感と絶望感を上手く叙述されていたことが印象に残っています。
芥川賞は新進作家の純文学作品で、短編の作品のものから選ばれます。
■ 直木賞とは
直木賞は正式名称を「直木三十五賞」といい、優れた大衆文学が書かれた作品に贈られる賞です。
冠になっている直木三十五は小説家であるほかに、映画監督や脚本家としても活躍していたようです。まだ直木三十五の作品は読んだことがないので機会があれば読んでみたいです。
直木賞は新進・中堅作家の大衆文学作品で、長編作品もしくは短編集のなかから選ばれます。
■ 芥川賞と直木賞の違い
このように様々な違いがありましたが、大事なことをまとめると、
・芥川賞→純文学作品 短編作品
・直木賞→大衆作品 長編作品もしくは短編集
共通点として、
・1,7月の年2回発表
が挙げられます。
純文学と大衆文学のどちらのジャンルを満たした作品も存在するため、同時に候補作品にノミネートされることはあるようですが、片方を受賞すると選考から外されてしまうため、同時受賞はできないようになっています。
芥川賞であれば第155回(2016年上)受賞の『コンビニ人間』(著:村田沙耶香)、直木賞であれば第148回(2012年上)受賞の『何者』(著:朝井リョウ)が昔盛り上がっていたので気になります。
個人的には大衆文学のほうが好きで、好きな作者さんも直木賞を過去に受賞されているので、直木賞に興味があります。
<参考>
自分が勉強に閲覧したサイトです。
ちこり
【読ログ】ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
ちこりです。初めての投稿となります。
今回の春休みは読書とアニメの消化を頑張る!と宣言します。
さて、今回は
という本をご紹介していきます。
この物語は、突然幼馴染のチエミが母親を殺して失踪しているという事件を聞いた主人公・神宮寺みずほが、上京する前まで住んでいた山梨を中心にチエミとかかわりのある人への聞き込みをしていき、事件の真相を明らかにしていくという話になっています。
小中学校時代を共に過ごし、大人になってからも地元・山梨で合コンをともにしてきたみずほは、チエミの母娘関係の結び付きが強かったことを知っています。娘は母親を信頼しなんでも相談する、母親は娘を何よりも大事に想う。合コンが開かれたら何の疑問も抱かずに出席した異性の人数や特徴を母親に伝えるほどの関係。
それでも母親から離れられず、いや、離れずにずっと良好な関係を築き山梨で過ごしてきたチエミが母親を殺す動機なんて幼馴染であるみずほからは考えられませんでした。ましてや、チエミは気性が荒い人間ではなく、弱気でよく物怖じする性格なのでした。みずほはもう一度チエミに会いたい、会って話を聞きたい、と思いチエミと親交のあった高校の部活の友人や合コン仲間、婚約目前だった元彼氏、職場の女子仲間へと話を聞いて回ります。
合コンではチエミのような自己主張が苦手で目立たないタイプは男子から見向きもされず、やっと手繰り寄せたチャンスも踏みにじられてしまうというモテ格差が存在すること。ここの女子は誰かと結婚することでしか先に進めず「幸せ」が実現されないということ。地方での女子の冷酷な実態が鮮烈に描かれていました。
地方にとどまる気がなく、上京していったみずほはどこか合コンを頻繁に開催し、出会いに飢える地方の女子にどこか冷めた目を送っているようで、物語でも地方での現実には冷たい風が吹きまわしているように思えました。
途中までの物語の進行では一切チエミが出てくることはなく、周りから見たチエミの姿がつらつらと描かれています。
いない場で周りから語られるチエミの姿に自分は同情をしました。しかし、その同情は自己主張ができなく派手な見た目をしていない、合コンでは「数合わせ」として呼ばれるチエミを見下しての同情であったのだと、読み進めてみずほの語りに突き刺されてしまいました。登場人物も、そして読んでいる自分たちも、チエミより優位な立場だからと勝手にチエミに可哀想を押し付けていましたが、そのような境遇でチエミは何を考えていたのでしょう。
終始冷たい印象で描かれていた地方の女子の実態には何度も鈍く胸を刺されるような痛みがありました。
まだまだ地方には夢も希望もない現実があって、でもそれには同時にどうにもできなかった事情も存在しているのだと気づかされました。社会問題でもある「赤ちゃんポスト」にも切り込んでいて、その意義やマスコミの取り上げに考えさせられるものがありました。
辻村さん作品の特徴でもありますが、読み進めるとするすると紐が解けるようにチエミが母親を殺して失踪した動機が分かってきます。また、タイトルである『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』が何を表すかも最終的に回収されています。
最期に著者インタビュー記事をご紹介します。
楽天ブックス|著者インタビュー 辻村深月さん『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』
記事中で著者の辻村さんは「地方負け犬」という言葉に焦点を当てています。
鈍く突き刺さる痛みと全ての伏線が回収される気持ちよさを味わうことができるので、ぜひおすすめしたいと思います。
今は芥川賞を受賞した話題作『推し、燃ゆ』を読んでいます。純文学作品に似つかないタイトルでの芥川賞、どんな作品なのか自分もすごく注目しています。
ちこり